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コーラル

作詞作曲 SHIMADA TOMONORI

 

 

日々があまりにも長すぎて

レナは魂を売った

目には見えない話だが

確かに失ったもの

夜明けに外を染める風

煤けた小屋から出る時が来た

 

ブルーベリーを潰してインク代わりに 

葡萄を描くような日々

 

光が差し込むカーテンの揺れから

壁を飾る訪れた店の写真

懐かしむセピアのその時間にすら

咳ばらい2つ風鈴の音

細い棘のような遠くの月

窓際に咲く植木のガザニア

私よりも話し上手で 棘と比べて月らしい

別れを告げるものは何もない

レナの中で何かが変わるだけ

生まれた時から持っていた

コーラルのアミュレット

今その手で外すだけ  

日々があまりにも早すぎて

ケイは休暇を取った

1日かけて荷物を減らし

朝早くに呼んだ馬車

夜明けに街を去る気分

描いたとおり採れたての期待

繰り返しの中で忘れた色がある

根本的な水の音

いま後ろの街へ向かうフイゴの修理屋

すれ違い際に道具のたてる音

川を渡る橋の右に 先を急がない人の舩旅

よく見れば船の名は「暇つぶし号」

穏やかな旅の中で 何かが

変わる気配大雨に せり出した岩

止められないその力に ケイは外に出され

小屋の前で 雨の中で 

霧に消えたケイの意識

レナはもういない 机にはアミュレット

ケイはやがて気づく

遠く去り行くコーラルの景色

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